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今宮神社の参拝を終わり朱塗りの橋を渡って東の参道から出てくると、両側から囂しく呼び込みの声が掛かる。その勢いたるや不慣れな者には戸惑うほど。そして客がどちらかの店へ一歩足を向けると、ぴたりと引き下がる。見事な間合いである。
良くできたものでそれぞれに贔屓の客を持つらしく、どちらも繁盛している。 |
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一方は元祖、一方は本家。いずれもあぶり餅を商う。細く削った竹串の先に切り込みをいれ小さな餅をまるめ炭火であぶり、ほのかに甘い味噌だれをつけて出す。なかなかの美味。双方の店秘伝のたれに微妙な味付けを競うが、おおむね似たものである。
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座敷に上がって食するも良し、参道に面した床几も味わいがある。土産を頼むと竹の皮に包んで持たせてくれる。持ち帰りだけ頼んでも必ず塗りの小皿に数本乗せどうぞと出してくれるのはうれしい。
双方並べて食べ比べをしてみたいと思いながら、まだ試していない。
散策のおりに一度訪ねてみられる事をお勧めする。 TY |